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エネルギーの難問題
サウスチャイナモーニングポスト - 31 Mar, 2022
寄稿者:ユニスシャリフリ、中東研究所助手、国際関係戦略コーカサスセンター次席特別研究員
可能性のある石油ガスのロシアとの新規協定についての中国の判断は、ウクライナ戦争でさらに複雑化された。
最近の二つの動きが、中国ロシア間の新しいエネルギー協定の可能性を明らかにしました。
一つは、モンゴルを横断する中国へのソユーズボストークパイプラインの設計契約を、ロシヤ巨大企業ガスプロムPJSCが発表した事。二つ目は、中国国営企業によるロシアエネルギー企業の株式購入機会を、北京政府と国営企業と話し合うとの報告がされてる事です。
ロシアによるウクライナ侵攻の後に続く国際的なエネルギー企業のロシアからの撤退に伴い、ドイツがクレムリンが後ろに控えるノルドストリーム2パイプラインの承認手続きを停止し、ロシアに対する一連の制裁を決定する事で、中国政府と中国企業がロシア市場でその立場を強くする機会が明らかに存在します。
まず第一に、北京政府の目指す2060年までのカーボンニュートラルそして中国国内の最重要問題の一つである、大量の石炭をガスに切り替える事は、中国がロシアとの関係をさらに
改善させる方向に向かう要因の一つです。中国は脱炭素への移行を行っており、ロシアガス輸出は、中国の温室効果ガス排出削減の助けるになると思われます。
第二には、BP, シェルと言った西側のエネルギー関連企業の、ウクライナ戦争によるロシアからの撤退は、中国のエネルギー企業特に国営企業に対して、ロシアへの投資とそのポートフォリオの分散多角化の機会を作りだします。
第三には、中国はトルキメニスタンからもガスを輸入しており、ロシアのガスは、中国企業にとっては価格の安さでの選択の一つであり、ロシアとの新規のエネルギー協定は、さらに魅力を増しています。
しかし、国内、地域そしてグローバル要因が、ロシアとの新規のエネルギー取引に中国を向かわせますが、北京政府はある範囲内での問題にも直面するでしょう。問題の一つは、ロシアを取り巻く政治的経済的不確定性でしょう。現在の制裁下でのロシアの事業環境悪化が、中国企業に対して、ロシアへの投資を躊躇させることになるでしょう。
特にワシントン主導の制裁は、北京政府と中国企業に注意喚起をさせると思われます。例えば、国営企業シノペックグループは、最近、大型石油化学産業への投資とロシアに於けるガス販売合弁事業の交渉を停止しており、明らかに、ロシア資産の扱いについては慎重にとの政府の要請に注意を払わされています。
もう一つの問題は、エネルギー価格でしょう。過去の協定についての交渉では、価格が中国とロシア企業が討議すべき最も困難な問題の一つです。それとは別に、中国は投資資本には不足しませんが、シベリアでのエネルギー埋蔵場所の開発の技術的ノウハウを持っていない事も問題です。これは他国の既に存在するものの購入以上に、そこでの事業拡大に伴う未開発投資案件に、疑問を持たせることになるでしょう。
中国の計算の中に出てくる地域要因も又あります。ウズベキスタンは、最近、隣国カザフスタンに於ける燃料価格に対する国内抗議運動の為に、それに見合うべく中国へのガス輸出停止を決定しています。これは中国のエネルギー安全保障に対する挑戦であり、他のガス輸入依存を強めさせます。ミヤンマでは、雲南省に繋がる石油ガスパイプライン周辺に、その防護の為に、軍が地雷を埋設していますが、これは中国の脆弱性を目立たせたに過ぎません。
このように、周辺国の安定悪化は、北京政府にモスコーとの新規エネルギー取引に向かわせるであろう、もう一つの要因です。
燃料の輸送ルートも、長い討議を必要とする別の要因です。例えば、中国へのパワーシベリア2パイプラインの状況では、ロシアは、既に欧州連合に供給している同じガス田からのガス輸出を目指しています。しかし、欧州連合と中国との間の競争を作り出す機会をロシアに与えるような状況は、北京政府にとっては全く望ましいことではないでしょう。
勿論、エネルギーの共同事業は複雑であり、中国は国際的要因も考慮しなければならないでしょう。
ウクライナ戦争によって、欧州連合諸国は、ロシアガス依存を減らす方向に動いており、それは欧州とアジア間の代替パイプラインの競争を強めさせるでしょう。中国はその液化天然ガスの約40%を豪州から、10%を米国から輸入しており、この二つの国との関係は悪化しています。さらに、これらの輸入では、米国が主要安全保障国である海上輸送ルートに、中国は依存しており、中国のエネルギー安全保障の判断を怯えさせる又別の要因でもあります。
中国-ロシアの協力体制による増大する怖れの感覚と、外交と経済に関してのロシアの国際社会からの孤立化増大は、西側諸国が持つ中国に対しての複雑さの原因となるでしょう。実際のところ、ロシアウクライナ戦争で、中国が中立の立場を取ったことで、中国には国際的圧力が強まっています。2014年当時のように、これらがロシアの間に新しいエネルギー協定に中国が至ることになるのを妨げるのに、充分な要因となるでしょう。
北京政府は、中国とロシアが接近するのではとの欧州の認識を強めさせることは、望んではいないでしょう。大西洋両岸諸国が中国とロシアと対峙する事を、再び活性化させることも又、望んではいないでしょう。
新しい中国-ロシアエネルギー取引には、それを推進させようとするものと妨げようとする二つの力があります。さらに言えば、中国と米国との連携、ロシア制裁そして習近平国家主席とロシアの相手方ウラジミールプーチンとの個人的繋りと言ったものが、決定要因となるでしょう。 以上
寄稿者:ユニスシャリフリ、中東研究所助手、国際関係戦略コーカサスセンター次席特別研究員
可能性のある石油ガスのロシアとの新規協定についての中国の判断は、ウクライナ戦争でさらに複雑化された。
最近の二つの動きが、中国ロシア間の新しいエネルギー協定の可能性を明らかにしました。
一つは、モンゴルを横断する中国へのソユーズボストークパイプラインの設計契約を、ロシヤ巨大企業ガスプロムPJSCが発表した事。二つ目は、中国国営企業によるロシアエネルギー企業の株式購入機会を、北京政府と国営企業と話し合うとの報告がされてる事です。
ロシアによるウクライナ侵攻の後に続く国際的なエネルギー企業のロシアからの撤退に伴い、ドイツがクレムリンが後ろに控えるノルドストリーム2パイプラインの承認手続きを停止し、ロシアに対する一連の制裁を決定する事で、中国政府と中国企業がロシア市場でその立場を強くする機会が明らかに存在します。
まず第一に、北京政府の目指す2060年までのカーボンニュートラルそして中国国内の最重要問題の一つである、大量の石炭をガスに切り替える事は、中国がロシアとの関係をさらに
改善させる方向に向かう要因の一つです。中国は脱炭素への移行を行っており、ロシアガス輸出は、中国の温室効果ガス排出削減の助けるになると思われます。
第二には、BP, シェルと言った西側のエネルギー関連企業の、ウクライナ戦争によるロシアからの撤退は、中国のエネルギー企業特に国営企業に対して、ロシアへの投資とそのポートフォリオの分散多角化の機会を作りだします。
第三には、中国はトルキメニスタンからもガスを輸入しており、ロシアのガスは、中国企業にとっては価格の安さでの選択の一つであり、ロシアとの新規のエネルギー協定は、さらに魅力を増しています。
しかし、国内、地域そしてグローバル要因が、ロシアとの新規のエネルギー取引に中国を向かわせますが、北京政府はある範囲内での問題にも直面するでしょう。問題の一つは、ロシアを取り巻く政治的経済的不確定性でしょう。現在の制裁下でのロシアの事業環境悪化が、中国企業に対して、ロシアへの投資を躊躇させることになるでしょう。
特にワシントン主導の制裁は、北京政府と中国企業に注意喚起をさせると思われます。例えば、国営企業シノペックグループは、最近、大型石油化学産業への投資とロシアに於けるガス販売合弁事業の交渉を停止しており、明らかに、ロシア資産の扱いについては慎重にとの政府の要請に注意を払わされています。
もう一つの問題は、エネルギー価格でしょう。過去の協定についての交渉では、価格が中国とロシア企業が討議すべき最も困難な問題の一つです。それとは別に、中国は投資資本には不足しませんが、シベリアでのエネルギー埋蔵場所の開発の技術的ノウハウを持っていない事も問題です。これは他国の既に存在するものの購入以上に、そこでの事業拡大に伴う未開発投資案件に、疑問を持たせることになるでしょう。
中国の計算の中に出てくる地域要因も又あります。ウズベキスタンは、最近、隣国カザフスタンに於ける燃料価格に対する国内抗議運動の為に、それに見合うべく中国へのガス輸出停止を決定しています。これは中国のエネルギー安全保障に対する挑戦であり、他のガス輸入依存を強めさせます。ミヤンマでは、雲南省に繋がる石油ガスパイプライン周辺に、その防護の為に、軍が地雷を埋設していますが、これは中国の脆弱性を目立たせたに過ぎません。
このように、周辺国の安定悪化は、北京政府にモスコーとの新規エネルギー取引に向かわせるであろう、もう一つの要因です。
燃料の輸送ルートも、長い討議を必要とする別の要因です。例えば、中国へのパワーシベリア2パイプラインの状況では、ロシアは、既に欧州連合に供給している同じガス田からのガス輸出を目指しています。しかし、欧州連合と中国との間の競争を作り出す機会をロシアに与えるような状況は、北京政府にとっては全く望ましいことではないでしょう。
勿論、エネルギーの共同事業は複雑であり、中国は国際的要因も考慮しなければならないでしょう。
ウクライナ戦争によって、欧州連合諸国は、ロシアガス依存を減らす方向に動いており、それは欧州とアジア間の代替パイプラインの競争を強めさせるでしょう。中国はその液化天然ガスの約40%を豪州から、10%を米国から輸入しており、この二つの国との関係は悪化しています。さらに、これらの輸入では、米国が主要安全保障国である海上輸送ルートに、中国は依存しており、中国のエネルギー安全保障の判断を怯えさせる又別の要因でもあります。
中国-ロシアの協力体制による増大する怖れの感覚と、外交と経済に関してのロシアの国際社会からの孤立化増大は、西側諸国が持つ中国に対しての複雑さの原因となるでしょう。実際のところ、ロシアウクライナ戦争で、中国が中立の立場を取ったことで、中国には国際的圧力が強まっています。2014年当時のように、これらがロシアの間に新しいエネルギー協定に中国が至ることになるのを妨げるのに、充分な要因となるでしょう。
北京政府は、中国とロシアが接近するのではとの欧州の認識を強めさせることは、望んではいないでしょう。大西洋両岸諸国が中国とロシアと対峙する事を、再び活性化させることも又、望んではいないでしょう。
新しい中国-ロシアエネルギー取引には、それを推進させようとするものと妨げようとする二つの力があります。さらに言えば、中国と米国との連携、ロシア制裁そして習近平国家主席とロシアの相手方ウラジミールプーチンとの個人的繋りと言ったものが、決定要因となるでしょう。 以上